…悪いところだよ、そうやって、全部背負おうとする所。



捨てちゃいなよ。そんな重荷。



置いて行っちゃいなよ。そんな責任。



僕が、受け取るから。



直接、君の力になることなんて、出来ないからさ。



だから、せめて、ね?



「あのね、大輔…。私、やっぱり大輔が必要みたい。」



…嬉しいこと、言ってくれるね。



何かが燃えるような匂いがツン、と鼻を刺激する。



…そろそろ、かな。



ホントは、もっといたかったんだけどね、許してくれないみたいだ。



「そろそろ、行くね。」



発した僕の声は、秋の風に掻き消され、君の耳に届くことはない。