「誕生日?梨那、今日誕生日なのか?」

「ううん、私じゃないよ。私の誕生日は9月だから。明日、6月21日はお兄ちゃんとしんちゃんの誕生日なの。」


あ、しんちゃんのこと言っちゃった…

まあ大丈夫か。

あだ名だけじゃ、どこの誰か分からないよね…


「…しんちゃんって誰だ?」


優斗くんが顔をしかめて聞いてくる。


というか、さっき私がしんちゃんの名前を出した途端、優斗くんの纏うオーラが変わったんだよね。


しんちゃんの名前を出したのがまずかったのかな?

でも、何で?


「しんちゃんは、お兄ちゃんの親友だよ?」


…うん、間違ったことは言ってない。

お兄ちゃんとしんちゃんは互いに信頼し合ってるし、仲も良い。


「…それって、男だよな?」

「男だよ?」


私がそう言えば、やはり不機嫌そうな優斗くん。