「…梨那。やっと起きた。もう待ちくたびれたよ。」
……誰?
誰だかは分からないけど、こいつは危険だ、と私の本能は言っていた。
「僕の名前は西野 彰だよ。梨那のことが大好きだから、僕の家に連れてきたんだよ。」
ニコニコしながら言うこいつに、私は背筋にゾクッと冷たいものが走った。
こいつの“大好き”は普通じゃない。
そして、鈍い痛みの走る頭をフル回転させた。
“梨那のことが大好き”
“僕の家に連れてきた”
爆発が起きた後の記憶がない……
爆弾の解体技術…
警察官…
……まさか!!
私は頭の中に浮かんだ推理に、今までにないくらい動揺していた。
「…ねぇ、遊園地に爆弾仕掛けたの、あんたなんじゃない?」
自分でもびっくりするほど低い声が出た。