「……なんでよー。
もしかして、幼馴染でも、颯くんと仲悪いの?」
「……」
あまり思い出したくないことが記憶から掘り起こされそうになる。
私は追及するようにじろりと見てくる優奈をその場に置き去りにして、早足で目前の自教室に飛び込んだ。
「みんな、去年の小道具借りてきたよー」
「おー。ほのかありがとう!」
「そっちの優奈が持ってるダンボールもそう?」
作業を止めて集まってきたクラスメートたちに囲まれて、優奈は納得いかなそうに私を見たまま、「……うん、そう」とうなずく。
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