それを見送るそつない横顔に、
「……詐欺師」
「なにか?」
私はその形の良い唇が綺麗な笑顔を作るところから視線を逸らした。
「颯、変わったよね。
昔はもっと、女の子に冷たかったし。
よかったじゃん、銀高のアイドルなんでしょ、ちやほやされてさ」
「なに」
颯は魔性というか魅惑的な笑みをうかべて、その長い指先でわたしの顎を持ち上げた。
「やきもち?」
からかうような誘惑、とでも言えばいいのか。
ほんとうにいつの間に、颯はこんな表情をするようになったの?
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