翡翠について行くと先程の長い廊下を今度は左に曲がり直ぐの襖を開いた。

そこには、薄墨色の長着に袴の男の人と紅い着物の女の人、そして

十代位の若草色の長着に深緑の袴の男の子がお膳を囲んで座っていた。

私と翡翠は3人の向かい側のお膳の前に腰を下ろした。

「瑠璃、紹介する。左から浅葱(アサギ)、浅葱の妻の珊瑚(サンゴ)、二人の息子の

 (トキ)だ。3人はこの屋敷の管理や俺の世話係をしてもらっている。

 そして、皆、瑠璃だ。俺が人間界に行った時に助けてくれた、俺の

 大事な人だ。よろしく頼む。」

 そう言って、3人に頭を下げた。

「翡翠様、頭を上げてください。翡翠様の大事な人は、私達にとっても

 御守りすべき大事なお方です。ご安心下さい。

 瑠璃様、ここにいらっしゃる間は気兼ねなくお声掛け下さい。」

「ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」

浅葱さんは、背筋を伸ばしとてもしっかりした大人の男の人という

感じの人だった。