「瑠璃・・俺はケガをして助けてもらった時から瑠璃のことが

 忘れられなかった。

 本当は、ケガが治ってもずっと一緒に居たかったんだが・・・

 妖狐の俺が瑠璃の側にいてはいけないと思って、離れたんだ。

 離れたら忘れられると思っていた・・・けど、ダメだった。

 瑠璃に会いたい気持ちが募っていって・・・。

 ダメだと思ってはいたけど会いに行ったんだ。

 そしたら、あの場所で瑠璃を見て、体が動かなくなった。

 まさか、瑠璃に助けられた挙句、ケガをさせてしまうなんてな。」

そう言って自嘲気味に薄く笑い私の頬に右手でそっと触れた。

お互いに見つめ合ったまま時間が過ぎていく。

長い時間見つめ合っていた気になっていたが、実際は1分にも

満たない時間だったかもしれない。

翡翠が私の頬から手を離す