散々教え込まれてきたこと。高い塀を飛び越え、外に出た。

「バイバイ。お母様。」

最後に屋敷を見て、痛む体にムチを打ち駆け出した。

遠くへ遠くへ。できるだけ遠くへ。

しばらくすると、小さな公園が見えた。桜の花が満開だ。その美しさに惹かれ、フラフラと公園の中に入っていく。

隅にあったベンチに寝転がる。

視界いっぱいに広がる桜の花の隙間からキラキラと星たちが輝く夜空が見える。自由に輝く星たち。その空に手を伸ばしながら考える。