私がブスに生まれてから早20年が経とうとしている。
私が物心ついた頃にはもう、周りからお前はブスだと言われてきた。
子供のイジメは無邪気で残酷だ。
私は小4の頃から思春期ニキビができ始め、
周りはまだニキビという存在を知らない。
これから出来る人もいるという事を知らない周りの男子達は、
皆より早くニキビができた私を汚い目で見るようになった。
相手の心を考える事が出来ないからこそ心無い言葉を浴びせるのだ。
「お前の顔面汚ねーんだよ」
「こっち来るな!バイ菌!」
「喋るなよブス!」
「ブツブツきめーんだよ!」
「お前まだ学校来てたの?」
これが小4から中3の約6年間続いた。
大人になればあの頃は子供のイタズラに過ぎないと思える。
まだ私も周りの奴らも幼かったのだなと理解することができる。
それでもあの頃に苦しんで
傷付けられてきた6年間の日々を、
気持ちを忘れる事なんてできるはずがなかった。
人と話すのが怖くなったし、人に見られるのも怖くなった。
人は見た目で判断し、態度を変える。
綺麗な人にはチヤホヤして、ブスにはゴミ扱い。
将来、絶対に整形して人生を変えてやる。
そう心に誓った。
こんな風に思う私にも、
中1の時に彼氏ができた事がある。
その人はカッコよくはないけれど
私にとって輝いて見えた。
バスケをやっている彼。
周りを笑わせてくれる彼。
なにより周りが私を避けていても、
避けずに態度も変わらずに接してくれた。
手を伸ばして微笑んでくれた。
席替えでその人の隣になった。
私は緊張して上手く話す事も笑う事もできなくても
一生懸命に話しかけてくれて笑わせてくれた。
電話番号を交換してその頃のショートメールで交わす言葉の数々。
学校では話せない事を話していくうちに惹かれていった。