三門さんとのんびり話していると、ろくろ首の明里が三門さんの背後から抱きついた。おしろいをしているのに頬が赤くなっているのがはっきりと分かる。相当酔っているようだ。
「ろくろ首、放して」
「やだよお。そうだ、明里って呼んでくれたら放してやらんこともない」
そう言ってすぐに、むにゃむにゃと言い始めた明里はそのまま三門さんの肩で眠ってしまった。
「だれかろくろ首を回収してよ、あとやっぱり飲みすぎ」
苦笑いを浮かべた三門さんはろくろ首に肩を貸しながら立ち上がる。
「麻ちゃん、最後まで彼らに付き合う必要はないからね。帰りの電車は昼過ぎだけど、早くやすみなよ」
「はい」
私が頷いたのを確認した三門さんは明里をもといた位置に運んでいく。そのまま他の妖に捕まってしまったので、もう戻ってくることはないだろう。
それからは、冬休みに親しくなった天狗の少女葵と談笑をして、三時を過ぎるころには皆にお礼を伝えて自宅のほうへ戻った。