「私が席を立つ。
同行してくれ」

とサイ。

大陸横断鉄道の車内は乗客の臨検が始まっていた。

「警察は?」「私です」と女性。

「はじめまして。
ミセス吹雪」

「吹雪警部です」「はあ」
「オールドルナの官僚ね」

「で、ジャックって何です?」
「変装の名人よ」

乗客をサイと吹雪警部、オルセーヌ・オルファンは見て回る。

「どこにいるのかしら?」

「変装の名人ですね?」

「そうです」「トイレが開かなくなってる」

と報告。

「血の跡ね」と吹雪警部。

「ジャックはだれかを殺したんでしょう。
でトイレの窓から遺体を投げ捨てた」

とオルセーヌ・オルファン。

「断言は危険よ」と吹雪警部。

「そうですね」とサイ。


お茶にする。お菓子だ。