匡祐の微笑みに千晃は緊張気味に微笑み返す。
「マスコミを利用しようと考えています。」


匡祐は千晃と自分の結婚を利用して両財閥の友好関係を広めようと考えていた。

両財閥の経営者の禁断の恋とでもうたえば、世間の興味をひけるかも知れない。
その恋が両財閥を近づけ友好関係を築き、自分たちは結ばれる。

今は両財閥存続のための政略結婚とうたわれている自分たちの結婚の噂を覆そうとしていた。
「そんなシナリオ、うまくことは進まんだろ?」
千晃の父が鼻で笑う。

「だから裏付けるためにそれだけの策が必要なんです。」

匡祐は自分が作成した分厚い関係書類を見た。