「連絡くらいほしかったな。」
千晃の父は匡祐を見た。
「申し訳ございません。しかし、千晃さんのお義父さまに報告とお話があり千晃さんと一緒に伺いました。」
匡祐は頭を上げるとはっきりとした態度で千晃の父を見た。
そして話始める。
「まずはご報告があります。」
匡祐を千晃の父は眉間にしわを寄せながら見る。
「先日千晃さんと入籍いたしました。」
匡祐の言葉に千晃の父は一瞬言葉を失った。
「どういうことだ」
千晃の方を父が見る。
千晃はこの状況でも、父が自分にこんな風に視線を向けてくれることすら今まではなかったと思いながら父に話す。
「匡祐さんと入籍しました。婚姻は未成年ではない限り、自分たちの意志で成立します。保証人には匡祐さんのお義父様と剣持さんになっていただきました。剣持さんは私の父親代わりのような、唯一の家族ですから。」
千晃の言葉に父がさらに険しい表情になる。