匡祐が代表を務める会社のビルの最上階に匡祐が住んでいるフロアがあった。
広い空間には必要最低限の家具しかない。

「これ、使って」
二人は病院から車へ移動するときに雨に打たれて全身ずぶぬれだった。
全身が濡れて体温を奪われた二人は病院から近かった匡祐の部屋に向かった。

「シャワー使って。風邪ひくから。」
匡祐に差し出されたバスタオルと匡祐の部屋着を持ち、千晃はシャワーを借りた。

冷えた体の芯まで温まる。

頬を赤くしながらシャワーを浴び終わり、匡祐のにおいがする部屋着に袖を通す。
部屋着のトレーナーは千晃にはかなりサイズが大きくてワンピース状態だった。
ズボンに足を通すと、ウェストが緩すぎて手で握っていないとずり落ちてしまう。
仕方なく千晃はズボンをぬいで浴室から出た。

千晃が部屋へ向かうと着替えを済ませた匡祐がソファに座っていた。