匡祐は力の世話をしながら自分の母親のところへ通う日々を過ごしていた。
力は肺炎で入院をしてから思うように食事をしてくれなくなった。元から偏食のあった力は、食べられるものも限られている。見る見るうちに痩せていく力。匡祐が毎日朝晩に施設に通い食事させないと何も飲まず、食べずの力に匡祐は心配していた。母の体調も思わしくなく、毎日通わないと自分を忘れてしまうかもしれないという想いが匡祐を不安にさせた。
匡祐は空いている時間で仕事をして、足りない分は睡眠時間を削って仕事をしていた。

一方千晃も剣持の解雇という父からの脅しに、必死に仕事に打ち込んでいた。

千晃が社長を務めている会社は一つではない。
すべての会社の仕事をこなしながら地方の支店の視察にも積極的に取り組んだ、
問題点を見つければすぐに改善案を出して何度も会議をする。






食事をする時間も、睡眠時間も削って働く姿に剣持も助川も心が痛んだ。