「え、そうなんですか?」


「うん。たいていなんでも1人でやるよ。どこかの国の王子でもあるまいし着替えなんて手伝わせたりしないから」


言ってるうちに、制服のカッターシャツのボタンを全部はずし終わったみたいだ。


「アハッ、そうですよね」


「・・・」


「あ、それでユリナさんのことはもう大丈夫なんですよね?」


「あと数日通えばなんとかなりそうだよ」


「へぇ」


「・・・」


何か言いたげにジッとこちらを見ている彼は、小さくため息をついた。


「出て行かないのか?」


「え?あっ、あの」


そうか、伊織さまったら着替えを見られたくないから早く私に立ち去って
欲しいんだ。


だけど、なぜだかまだ離れたくないというか。


なんでもいいから、彼とおしゃべりしていたいな、なんて思っちゃって。


だって、久しぶりにこうして会えたんだし。