「そんなことより、俺の毎日の行動が知りたいんだろ?」


「はい」


「この後、勉強しにいかないといけないから手短に言うけど」


「あ、はい」


さっきはあれほど渋っていたくせに、彼は急いで説明してくれた。


また私が暴れだしたら叶わないと観念したのかな。


「綾小路家に婚約解消のお詫びをしに通ってる」


ベッドから降りた彼は制服のジャケットを脱ぐ。部屋着に着替えようとしているみたい。


「御当主の綾小路様になかなか会っていただけなかったからお屋敷の前で待ち伏せしていたんだけど掴まらなくて、難儀してたんだ」


「そうだったんですか」


「そしたら見兼ねたユリナさんが出てきてくれて少しお話ができた」


「へっ?ユリナさんが?」


ユリナさんといえば、婚約解消のショックから引きこもりになっているとかいう話しを聞いていた。