1.花舞う季節
――――――

~花凛side~





桜が舞う。





暖かい風と共に




私の入学を歓迎する花々は




ふわりふわりと宙を舞い、





くるくると回って





花のじゅうたんとなる。




?「花凛〜!おっは〜!!」


『おはよう、美涼。』


美「え?!テンション低っ、入学式だよ?!」


これだから花凛は・・・と嘆いているのが、


私の幼なじみで心友の相原美涼(あいはらみすず)


明るい茶色い髪の先を少し巻いて、


ポニーテールをしているのが定番。


飽きないのかなって思うけど、


やっぱり美涼には


これが1番しっくりくる。


本人いわく、


ポニテしか出来ないんだよね〜てへ★


なのだそうだ。


美「ほらほら早く行くよ〜!ダーッシュ!!」


なんやかんや言って、


美涼と居る時が


1番本来の私でいられるんだ。


ーーーーー・・・。
美「あ、あった!私達同じクラスじゃん!!」





クラス表を見ると、




確かに私と美涼の名前がある。




『よかったぁ・・・宜しくね美涼!』




美「花凛と同クラか〜、




男子から花凛守らなくちゃだ・・・ボソッ」




『ん?美涼何か言った??』




美「いや〜なにも?




・・・鈍感ボソッ」




何か美涼が独り言言ってるみたい・・・




まぁ、いっか。




『そろそろ体育か・・・「キャー!諒様〜っっ/////」




え・・・?




『す、すごい人だね、?』




私が美涼の方を見ると、




美涼が立ち尽くしていた。




『美涼、?大丈夫?』




美「・・・あ、うん、なんでもない。




・・・花凛、先体育館行っててくれない?」




いつもと違う美涼。




緊張してるのか顔が強ばってるし、




ちょっと拗ねてるのも表情に出てる。




・・・私、何か怒らせちゃったかな、?




美「あ、言っとくけど、




花凛が嫌いとかじゃないからね?」




え・・・良かったぁ・・・




『うん!美涼大好きっ』




美「私の方が好きだもんね〜笑」




そう言ってお互い笑いあった。




この時間が、すごく楽しくて




宝物なんだー・・・。




『じゃあ、私は先に行っとくね!』




美「リョーかいっ、また後で!」




この時から、




運命は決まっていたのかもしれないー・・・。
~美涼side~

「キャー!諒様〜っ/////」






・・・夢だと思った。






だって






私の初恋の人が






目の前にいたからー・・・。




どれくらい見つめていたんだろう。




花「ず・・・大丈夫、?」




花凛からの声で




私ははっとした。




花凛は首を傾げて、少し不安そうな顔で




私を見つめている。




身長の低い花凛は、




どうしても自然に上目遣いになっていて




男ならすぐに落ちるだろう。




私の自慢の心友。
『・・・あ、うん、なんでもない。




・・・花凛、先体育館行っててくれない?』




そう言うと、




さっきより花凛が不安そうな顔をした。




きっと怒らせちゃったかな、?とか




思ってるんだろうな・・・(苦笑)





美「あ、言っとくけど、




花凛が嫌いとかじゃないからね?」




次はホッとした顔をした花凛。




表情がコロコロ変わるから、




いつも話してて楽しい。




『うん!美涼大好きっ』




美「私の方が好きだもんね〜笑」




この幸せが続きますように。




春の花びらたちに




そう願ったー・・・。
~花凛side~

『この学校、広いよ・・・』




入学早々、迷子になった私。




『どうしよう・・・』




こんなことなら、美涼と一緒に居ればよかった。




過去を悔やんでも、遅いのにね。




そんな時、





?「大丈夫か?女の子が1人で危ないで?」





急に掛けられた言葉に驚いて顔を上げたら、




?「え、マジの当たりやん/////」




そう言って顔を逸らされた。




余程、私の顔が哀れだったんだろう。




自覚してるけど、




やっぱり悲しい・・・。




?「え、な、なんで泣き始めるんや!?




あと、涙目で上目遣いは反則やろ/////」




ん・・・?変なこと言い始めたよ、?




私の頭に?マークが浮かんでいると、




光「あ、俺の名前まだ言ってなかったわな!




俺は奥山 光(おくやま こう)




クラスは・・・1Bやで!ニカッ」




『私と、同じ・・・』




大人っぽい容姿だから、




先輩だと思った。




光「え!マジ?




1年間宜しくな!」





『よろしくお願いしますっニコッ』




光「お、おぅ/////




あ、名前聞いてもええか?」




『あ、瑞沢花凛です。』




光「花凛ちゃんな、



俺のことは光って呼んでな〜




タメでいいで!」




『あ、うん!




宜しくね光!ニコッ』




光くん、モテるだろうなぁ・・・




ちょっと、チャラそうだけど(苦笑)




光「はよ体育館行かな、入学式始まるで!」




『あ、うん!行こっ』




外で舞う花々が




これからの高校生活を




祝福しているかのように




ひらひらと




舞い散ったー・・・。
―――――――――――――――
「あ〜入学式終わった〜、




校長の話長すぎだって!!」




そう言いながら膨れている美涼。




そういえば、




さっき何してたんだろ・・・




『ねぇみす・・・「美涼、まだか?」




え・・・っ?




美「あ、諒、帰ろっか」




突然のことで頭がついて行かない




美「あーごめんね、コイツは笹ノ瀬 諒(ささのせ りょう)。私の幼なじみ」




諒「・・・宜しくな」





『あ、う、よろしくお願いしますっ、




瑞沢花凛です!』




ペコッとお辞儀をして




名前を覚えるために




〝笹ノ瀬 諒〟というキーワードを




頭の中でリピートする。




諒「コイツも一緒に帰ればいいんじゃねーの」




えー・・・




『そ、そんなの悪いよっ、』




諒「美涼、良いよな?」




美「あ、うん。全然いい・・・」




諒「じゃ、それで決まりな。




帰ろうぜ。」




私いて、大丈夫だったのかな・・・、?




あーダメダメっ、




話盛り上げなくちゃ!




『りょ、諒くんは、どうして転校してたの??』




そう言うと




諒くんの顔が強ばった




『あ、え、諒くん・・・?




あっ、無理に答えなくていいから!』

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