美味しいと褒めてくれた歩幸くんに感謝しながら、少し遅くなってしまった夕食を楽しんだ。明穂ちゃんと美幸ちゃんが食器を洗ってくれるという事で、歩幸くんはお風呂掃除をしてくれた。私はというと、座り込んでいる残りの三人に避けてと言いながら布団を敷いて寝袋を出していた。
布団は一人用が四組で寝袋が二つ。私と翔琉が交代で長椅子に寝る事にした。流石にお客さんを長椅子に寝かせて布団を使うのも気が引けたからこれで良いのかなとも思っている。

「唯織、やっぱり代わろうか?」

「良いから寝なって。明日も部活、あるんでしょ?」

翔琉の心配を他所に、私は皆が布団や寝袋に入った事を確認してから部屋の電気を消した。大丈夫と言っても切りがないから電気を消して強制的に喋らせなくした方が手っ取り早いんだ。