「何これ、日本茶？あたし日本茶嫌い。タピオカとかジュースとかないわけ？あり得ないわ〜」

女子高生の言葉に大河は固まる。藍は気にせず仕事を続けていたが、朝子と聖は仕事の手を止めて女子高生を見つめた。

「こんな死体解剖するような気持ち悪い場所、来たくなかったつっーの！」

ブツブツそう言いながら、女子高生はスマホをいじり続ける。藍は初めて女子高生の方を見て、訊ねた。

「あなたとあのご遺体の男性はどのような関係なのですか？」

「ああ、あのジジイ？あたしのおじいちゃん。つっても何年も前からボケ始めて施設に入ってたから、ずっと会ってなかった」

でも、死んでくれてよかったかもと女子高生は笑う。大河の顔に怒りが現れ、藍は素早く大河の腕を掴んで感情を抑えさせた。

正人と別室に行った女性は、女子高生の母親だそうだ。「あんなダッサイのマジあり得ない！！」とブツブツ女子高生は言っていた。

しばらく女子高生はスマホをいじりながら母親を待っていたが、「友達と合コン行くわ」と言って勝手に出て行く。誰も止めることはせず、女子高生の背中を見つめていた。