「っ、なんて事をしてくれたんだ?!
雨夜家に泥を塗るつもりか!」
「申し訳ございません。」
「謝って済む問題ではない!
もう、お前には失望した!」
あぁ、こんな時でも自分の事しか考えていない。
私がいじめていた相手の事を少しも心配していない。
自分の事、自分の家のことばかり…
母がヒステリックになっておらず、澄ました顔していることから、これをしたのは母だろう。
私が消えるのが1番幸せだものね。
「お前はもうこの家の者ではない!
今すぐ出て行け!」
「…はい」
あの様子を見ると、兄が写真を撮ったんだろう。
それで母と協力して、邪魔な私を消そうとしたのね。
父は、ガンでもう少しで死ぬから…
遺産、減るものね?笑
「失礼しました。」
部屋を出た時、お手伝いさんが心配そうな顔をして立っていた。
「柚莉愛さま、大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫よ。
ちょっと外の空気吸ってくるわ。」
「え。でも、こんな時間で…」
心配してくれているのは分かってる。
でも…
「行かせて欲しいの。いいでしょう?」
「分かりました。
気をつけて行ってらっしゃいませ。」
人の気持ちを察してくれるうちの召使いは、世界一優秀だと思う。笑
「いつもありがとうね。」
いつもは言わない、『ありがとう』の言葉。
召使いは気づくのかな?
「っ?!い、いえいえ。
柚莉愛さまの幸せが私どもの幸せなので…」
たしかにあまりお礼は言わなかったけど、
そんなにビックリされると傷つくのだけど…笑
「じゃ、行ってくるわね。」
「行ってらっしゃいませ」
そう言って家を出た。
着いたのは、夜の学校。
一度行ってみたかったのよね。
夜の学校ってドキドキするし!
押すと、ゆっくりと開く扉
まるで私を受け入れてくれるみたい。
…なんてね!
しんみりするのは、私らしくない。
「わぁ」
結構教室って暗いんだ。
いつもは行かない階段を上って、屋上。
学校の七不思議って、本当なのかな?
まぁ、何でもいいけど。
「気持ちいい」
屋上のフェンスを越え、下を見れば地面が見える。
暗くて、世界が自分1人だけに感じて少し足がすくむ
七海もこんな感じだったんだろうか。
飛び降りる寸前まで。
七海の事だから、泣きながら飛び降りそうだな〜
意外と、暗くて1人の世界もいいかもしれない。
「さてと、」
この世界からサヨナラをする時が来た。
意外と思ったより早かったなぁ。
今まで
いじめてきたクラスメイト、知らぬ顔の先生、
金と権力しか考えていない父、不倫ばかりの母、
くずな兄、、、
そんな周りの環境からやっと抜け出せる。
ありがとう、七海。
クラスも、家も私のせいでもっと壊れれば良い。
私が死んで、また誰かが責められて、
責められた人がまた死んでいく…
その繰り返し。
だから、いじめの悪循環は終わらない。
だから、
“みんな、不幸になれば良い”
『ばいばい』
『雨夜 柚莉愛さん、□□高校で飛び降り自殺
いじめが原因か』
少女の死亡ニュースを見ている人が1人。
「ふふっ
やっと落ちた♪」
その少女は、笑いながら
「遅かったよぉ〜。
“柚莉愛ちゃん!”」
天羽 七海である。
「さて、今度は誰をこ・ろ・そ・う・かな❤︎」
今度は、
『君を殺しにいくね』
そして、少女は笑って去っていった。
end