「あーあ。瀬越さんが店長だったときは楽しかったなあ」
三柴さんはそう言って、レジカウンターへ行ってしまった。
「ばか……」
ひとりきりになって、思わずつぶやく。
もちろん、小林さんや三柴さんに対してじない。自分に対してだ。
自分のプライベートだけに気を取られていたらだめじゃない。
せっかくエリアマネージャーになれたんだから、ちゃんと仕事をしないと。
みんなができるだけ働きやすい環境になるように考えてあげないと。
自分を戒めるものの、織のことや井野さんの告白が、どうしてもちらついてしまう。
意識して仕事のことだけを考えながら、どうにか一日をやり過ごした。
スタッフを上がらせた後もメールチェックや事務処理をしていたら、気づけば十時過ぎ。
さすがにそろそろ帰らなければと思って、なにげなくスマホの画面を見る。
「あっ」
つい声を上げたのは、織との約束を思い出したから。
すっかり忘れていた。今日、一緒にご飯に行くって、終わったら連絡するって言っていたんだった。
顔面蒼白でスマホを見つめる。
いやいや。茫然としている暇があれば、一刻も早く連絡をすべきだ。
私は慌てて織に電話をかける。
『はい』
「織! ごめん! 私、すっかり忘れて仕事してて」
勢いで謝ると、織は淡々として尋ねる。
『麻結、今どこ?』
「え……〝woman crash〟銀座店だけど……」
『やっぱり。近くのカフェにいるから急がなくてもいいよ。ゆっくり準備しておいで』
「う、うん。わかった」
三柴さんはそう言って、レジカウンターへ行ってしまった。
「ばか……」
ひとりきりになって、思わずつぶやく。
もちろん、小林さんや三柴さんに対してじない。自分に対してだ。
自分のプライベートだけに気を取られていたらだめじゃない。
せっかくエリアマネージャーになれたんだから、ちゃんと仕事をしないと。
みんなができるだけ働きやすい環境になるように考えてあげないと。
自分を戒めるものの、織のことや井野さんの告白が、どうしてもちらついてしまう。
意識して仕事のことだけを考えながら、どうにか一日をやり過ごした。
スタッフを上がらせた後もメールチェックや事務処理をしていたら、気づけば十時過ぎ。
さすがにそろそろ帰らなければと思って、なにげなくスマホの画面を見る。
「あっ」
つい声を上げたのは、織との約束を思い出したから。
すっかり忘れていた。今日、一緒にご飯に行くって、終わったら連絡するって言っていたんだった。
顔面蒼白でスマホを見つめる。
いやいや。茫然としている暇があれば、一刻も早く連絡をすべきだ。
私は慌てて織に電話をかける。
『はい』
「織! ごめん! 私、すっかり忘れて仕事してて」
勢いで謝ると、織は淡々として尋ねる。
『麻結、今どこ?』
「え……〝woman crash〟銀座店だけど……」
『やっぱり。近くのカフェにいるから急がなくてもいいよ。ゆっくり準備しておいで』
「う、うん。わかった」