学校は、しばらく休校になるという。
でも、受験が近いため、教室は解放されており、受験勉強をするなら登校してもいいらしい。先生たちが待機していて、勉強も教えてくれるみたいだ。
私は迷ったけど、登校することにした。
もうゲームの心配をしなくていいし、なにより勉強しておきたい。
気持ち新たに、高校生活を迎えるんだ。
できれば、新田くんと同じ高校に行きたいけど__。
「あっ、響子。おはよう」
校庭で、前を行く響子に声をかけた。
「あっ、おはよう」
「あれ、なんか元気なくない?」
「えっ__そんなことないけど」
「そうかなー?」
首を傾げつつ、2人で校舎に向かう。
ゲームを退会できたらんだから、もっと喜びそうなのに?
それとも、響子もゲームが終わって寂しいと思ってるとか?
あっ、そうだ。
明香とよく言ってたじゃないか。
もしかして、響子は悠馬のことが好きかもって。
だからゲームが終わった今、改めて悠馬が居ないことを寂しく感じているのかも。
明香も死んでしまったし、それってゲームを始めた響子が責任を感じるのは普通のこと。
自分のせいで悠馬も死んだのだと思っていたら?