*
ただ、あなたと居たかった。
ただ、側に居て欲しかった。
ただ、あなたが好きだった。
ただ、愛されたかった。別の誰かのものになって欲しくなかった。
小さな植木鉢に咲いた一輪の花は
1人の男の子に沢山の水を貰い愛されたが、周りに生える雑草は取って貰えなかった。
花は次第に雑草で埋め尽くされ
気づけば男の子は居なくなっていた。
*
-別れ-
「どうして?私は嫌だって言ってる。まだ22時だから電車も動いてるし帰れるでしょ?帰ってよ!」
どうして…
『嫌だ。久しぶりの泊まりだし、楽しいし、俺は男子しかいないと思って来たから女子がいること知らなかっただけ。泊まる気できたのに女のせいで俺が帰るのは意味がわかんない。』
なんで…
「あっそ。彼女が嫌がってるのに自分がしたいことを優先するのね。私に散々異性関係のこと忠告しといて自分は女のいる空間で一夜を過ごすのね。ならもう良いよ別れる」
わかって欲しいだけなのに…
『は?なんでそうなんの。キレられる意味がわかんないんだけど』
辛い。苦しい。もう終わりたい…
「わからないならわからないで良いよ。てか、私他に好きな人いるしもう別れて。それに了承してくれれば今みたいに異性関係でぐちぐち言われることもないよ。それがあなたの望みでしょ?」
好きな人できたなんて嘘だよ。本心じゃないよ。気づいて…
『…あっそ。他に好きな人できたならもっと早く言えよ。はぁ…わかったよ。別れてやるからもう連絡すんな』
プーップーップーッ…
2017年3月13日
私は大好きな人を失った。
我慢すれば良かっただけの話なのかも知れない。もっと私の心が広ければ終わらなかったかも知れない。
もっと私が愛されていればこんなことにはなっていなかったのかも知れない。
話が終わり、電話が切れた瞬間後悔が襲ってくる。
「…うっ、うっ、うわーーーーっ。あーーーーーっ…」
私は何してるんだろう。
深夜に1人枕に顔を埋めて声を抑えながら泣いて何がしたいんだろう。
失ってまで怒らなきゃいけないことだったのかな?いや、きっと違う。
でも止められなかった。嫌だった。他にも男がいるってわかってても私以外の女の子と一夜を過ごすあなたが許せなかった。
自分の娯楽を優先して私の嫌なことをやめてくれなかったあなたが許せなかった。
私はスマホを手に取ると、涙で歪んだ視界と、震えた手でLINEを開き通話ボタンを押した。
プルルルル…
『あむるん?どうした??』
「うぅっ、ぐすっ…」
止まらない涙と嗚咽でなかなか話せない私を彼女は静かに待ってくれる。そんな彼女の優しさが更に私の涙腺を緩くする。
「…あのね。さっき彼氏と電話してたんだけど…」
暫くして少し落ち着きを取り戻した私は少しずつ話を始めた。
きっかけはSNSだった。
夜の10時頃、寝る準備を整えてからスマホを弄っていた私は、ある女友達の投稿にふと目が止まった。それは画像も無ければ特定の名前が書かれているわけでもなく、ただ“やっぱりこのメンツといると楽しいな”と書かれているだけだった。
側から見たらスルーするような投稿だ。
でも、その日の私は違った。
その投稿を見た瞬間なんとなく嫌な予感がした。私の彼氏が関わっているんじゃないかって、そう思った。
だから彼氏に聞いてみた。その嫌な予感が合っていなければいいななんて思いながら。
そして、この日初めて女の勘が本当に存在する事を実感した。
(あむ:今電話できる?)
(雅哉:できるよ)
プルルルル…
「もしもし」
『もしもし、どうした?今友達の家に泊まってて今電話の為に外いるんだけど、あんまり話せないからなるべく手短によろしく』
もうあまり覚えていないけど、その時の私は緊張で少し声が震えていたかも知れない。
もし勘が当たってたらどうしようって不安と恐怖で息が苦しかった。
「うん、わかった。ちょっと聞きたいことがあってさ、泊まる家に女子いる?」
『…なんで?』
あ。今少し間があったな。これってこのまま聞いてしまってもいいのかな。聞かない方がいいんじゃないかな。でも1人で不安になってるのは嫌だな。
なんて考えが頭の中を駆け巡る。
「いや、暇だったからSNS見てたら友達の投稿に目が止まって、もしかして今一緒にいるんじゃないかなって思ったから聞いてみたんだけど、今美月も一緒にいる?」
お願い居ないって言って。
『いるよ』
「…え?ちょ、待って。いるよって何?帰ってよ。なんで帰ってないの?」
勘が当たってしまった焦りと動揺でうまく言葉が出てこない。
『は?なんで帰んなきゃいけないの。俺美月いること知らなかったし。泊まる気できたのに美月のせいで俺が帰ることになるのは意味がわからない』
え、何言ってんのこいつ。人のせいにして彼女の嫌がることをやめないって正気?
「私が嫌がってるのにやめてくれないの?好きな人が嫌な思いをする時間を作ってまで友達との泊まりを優先するの?電車もまだ動いてるんだから帰れるでしょ?帰ってよ!」
『嫌だよ。さっきも言ったけど俺が帰る理由はない。女子がいること知らなかった。勝手に来たのはあいつ』
ただ、あなたと居たかった。
ただ、側に居て欲しかった。
ただ、あなたが好きだった。
ただ、愛されたかった。別の誰かのものになって欲しくなかった。
小さな植木鉢に咲いた一輪の花は
1人の男の子に沢山の水を貰い愛されたが、周りに生える雑草は取って貰えなかった。
花は次第に雑草で埋め尽くされ
気づけば男の子は居なくなっていた。
*
-別れ-
「どうして?私は嫌だって言ってる。まだ22時だから電車も動いてるし帰れるでしょ?帰ってよ!」
どうして…
『嫌だ。久しぶりの泊まりだし、楽しいし、俺は男子しかいないと思って来たから女子がいること知らなかっただけ。泊まる気できたのに女のせいで俺が帰るのは意味がわかんない。』
なんで…
「あっそ。彼女が嫌がってるのに自分がしたいことを優先するのね。私に散々異性関係のこと忠告しといて自分は女のいる空間で一夜を過ごすのね。ならもう良いよ別れる」
わかって欲しいだけなのに…
『は?なんでそうなんの。キレられる意味がわかんないんだけど』
辛い。苦しい。もう終わりたい…
「わからないならわからないで良いよ。てか、私他に好きな人いるしもう別れて。それに了承してくれれば今みたいに異性関係でぐちぐち言われることもないよ。それがあなたの望みでしょ?」
好きな人できたなんて嘘だよ。本心じゃないよ。気づいて…
『…あっそ。他に好きな人できたならもっと早く言えよ。はぁ…わかったよ。別れてやるからもう連絡すんな』
プーップーップーッ…
2017年3月13日
私は大好きな人を失った。
我慢すれば良かっただけの話なのかも知れない。もっと私の心が広ければ終わらなかったかも知れない。
もっと私が愛されていればこんなことにはなっていなかったのかも知れない。
話が終わり、電話が切れた瞬間後悔が襲ってくる。
「…うっ、うっ、うわーーーーっ。あーーーーーっ…」
私は何してるんだろう。
深夜に1人枕に顔を埋めて声を抑えながら泣いて何がしたいんだろう。
失ってまで怒らなきゃいけないことだったのかな?いや、きっと違う。
でも止められなかった。嫌だった。他にも男がいるってわかってても私以外の女の子と一夜を過ごすあなたが許せなかった。
自分の娯楽を優先して私の嫌なことをやめてくれなかったあなたが許せなかった。
私はスマホを手に取ると、涙で歪んだ視界と、震えた手でLINEを開き通話ボタンを押した。
プルルルル…
『あむるん?どうした??』
「うぅっ、ぐすっ…」
止まらない涙と嗚咽でなかなか話せない私を彼女は静かに待ってくれる。そんな彼女の優しさが更に私の涙腺を緩くする。
「…あのね。さっき彼氏と電話してたんだけど…」
暫くして少し落ち着きを取り戻した私は少しずつ話を始めた。
きっかけはSNSだった。
夜の10時頃、寝る準備を整えてからスマホを弄っていた私は、ある女友達の投稿にふと目が止まった。それは画像も無ければ特定の名前が書かれているわけでもなく、ただ“やっぱりこのメンツといると楽しいな”と書かれているだけだった。
側から見たらスルーするような投稿だ。
でも、その日の私は違った。
その投稿を見た瞬間なんとなく嫌な予感がした。私の彼氏が関わっているんじゃないかって、そう思った。
だから彼氏に聞いてみた。その嫌な予感が合っていなければいいななんて思いながら。
そして、この日初めて女の勘が本当に存在する事を実感した。
(あむ:今電話できる?)
(雅哉:できるよ)
プルルルル…
「もしもし」
『もしもし、どうした?今友達の家に泊まってて今電話の為に外いるんだけど、あんまり話せないからなるべく手短によろしく』
もうあまり覚えていないけど、その時の私は緊張で少し声が震えていたかも知れない。
もし勘が当たってたらどうしようって不安と恐怖で息が苦しかった。
「うん、わかった。ちょっと聞きたいことがあってさ、泊まる家に女子いる?」
『…なんで?』
あ。今少し間があったな。これってこのまま聞いてしまってもいいのかな。聞かない方がいいんじゃないかな。でも1人で不安になってるのは嫌だな。
なんて考えが頭の中を駆け巡る。
「いや、暇だったからSNS見てたら友達の投稿に目が止まって、もしかして今一緒にいるんじゃないかなって思ったから聞いてみたんだけど、今美月も一緒にいる?」
お願い居ないって言って。
『いるよ』
「…え?ちょ、待って。いるよって何?帰ってよ。なんで帰ってないの?」
勘が当たってしまった焦りと動揺でうまく言葉が出てこない。
『は?なんで帰んなきゃいけないの。俺美月いること知らなかったし。泊まる気できたのに美月のせいで俺が帰ることになるのは意味がわからない』
え、何言ってんのこいつ。人のせいにして彼女の嫌がることをやめないって正気?
「私が嫌がってるのにやめてくれないの?好きな人が嫌な思いをする時間を作ってまで友達との泊まりを優先するの?電車もまだ動いてるんだから帰れるでしょ?帰ってよ!」
『嫌だよ。さっきも言ったけど俺が帰る理由はない。女子がいること知らなかった。勝手に来たのはあいつ』