さっきから黒田くんがなにを言いたいのか全然わからない。

「咲はほら、あれだよ。黒田くんを私に取られたくないんだよ。だから私と黒田くんが仲良くしてたらムカつくって、そう言ってた」

「え? は?」

「だから今日きたって言ってたよ。大事にされてるね、黒田くん」

「…………」

ポカーンと大口を開けて目を瞬きを繰り返す黒田くん。

「ぷっ、はははははっ!」

黒田くんはお腹を抱えて笑い出した。目に涙まで浮かべて指で拭っている。

「なに? なんか変なこと言った?」

「やばい、神楽さん……はは! 天然すぎる!」

「えっ?」

黒田くんがなんで大笑いしてるのか、理由がまったくわからない。

首をかしげればかしげるほど、どんどんツボにハマっていくようだった。

「ごめんごめん。でも、あまりにも変な勘違いしてるからさ」

「勘違い……?」

なにが?

「一応俺の名誉のためにも言っとくけど」

「うん?」