「ふたりの仲を邪魔するつもりはないから安心して!」
「…………」
下から見上げた咲の顔がいびつに歪んだ。みるみるうちにしかめっ面になり、盛大なため息をひとつ。
「お前……マジでバカだな」
「え?」
「こんなヤツ見たことない」
「どういう意味? はっきり言ってくれなきゃわかるわけないよ」
「いや、わかるだろ」
「わかんないよ。ちゃんと言って」
「言わねー、言うわけない」
なんで私が怒られているのか全然わからない。
「おーい! 早くこいよー!」
言い合っていると遠くから黒田くんに手招きされた。
それから咲はしばらく不機嫌だったけど、私は花菜と思いっきりはしゃいだ。大好きなキャラクターの着ぐるみとたくさん写メを撮って、人気だというアトラクションにも並んだ。
楽しくて時間があっという間に過ぎていく。
お昼になり、レストランに入ることになった。