熱い唇とぬるりとした冷たい感触が首筋からどんどんと下に下り、緋色の全身を気持ち良くしてくれる。そして、彼の指で着ていた服もあっという間に脱がされていき、敏感な所を見つけられ攻められる。
 すぐに余裕がなくなり緋色の口から甘い声がして、それと同時にベットが軋む音が響く。
 自分の声と彼の荒い吐息と、どちらのものかわからない水音が聞こえ、聴覚でもエッチな気分にさせられてしまう。


 恥ずかしさと温かさ、そして甘く苦しい感覚に戸惑いながらも、泉の物になったという幸せに襲われる。
 目の前の彼の顔が、切なさを帯びて歪む。
 快楽を与えられ、ぼやける視界でそれを見つめ、先ほどから緋色は涙を出し続けていた。
 泉は、自分の髪をかき上げた後、緋色の体にピッタリとくっつて、目尻にたまっていた涙をペロリと舐め取った。



 「愛している、緋色ちゃん。ずっとずっと………」
 

 「私も」と言うはずの言葉は、彼が強く奥に入ってきたのを感じ、自分の甘い声によって消されてしまう。

 後は泉に抱かれながら、汗で少し冷たい背中にしがみつき、快楽に溺れた。


 その時、何故か視界がぐにゃりと歪んで、真っ暗で薄汚れた部屋が見えた。
 緋色はハッとして、目を開けるとそこは変わらず彼の髪と大きな窓がある部屋だった。


 「………大丈夫?」
 「あ、ごめんなさい………今、何か視界がおかしくなって」
 「疲れたのかな………でも、ごめん。最後までまたさせて………まだ、足りないんだ」
 「ん………あぁ…………。」


 彼が自分の中で激しく動くのを感じ、緋色は体をよがらせながら、甘い痺れに身をまかせていく。
 一瞬の出来事など、すぐに忘れてしまうほどに、緋色は泉に夢中になり、何回か求められた後、気づくと意識を飛ばしてしまっていたのだった。