「友達や仕事仲間ならば普通に笑うわ。特に仲がいい同士ならね。それは異性でも同じ。緋色ちゃんだって上司とランチに行けば笑うでしょ。」
「そうですが…………。」
「それに、もし浮気するならそんな緋色ちゃんの会社の近くの、しかも大通りに面したカフェで会ったりしないわ。結婚しているなら、特にね。」
「…………そう、ですね。」
愛音の話を聞いていると「普通の結婚なら、そうだ。」と思ってしまう。
けれど、緋色と泉の結婚は違うのだ。
それを、彼女に話すわけにはいかない。
「んー………まだ納得出来ないの?」
「いえ、そんな事は……。」
「でも、泉選手って恋人を溺愛してるってよく話してるって聞くよね。」
「それは前の彼女さんじゃないかなって思います。私はすぐに婚約ですし………。」