「……っ?!」


一瞬の出来事に身動きが取れず
固まってる俺に
数秒間唇を触れさせた彼女は
その後ゆっくりと離れて行った。


「…いいよ、私。」


少し震えた声で目を泳がせながら出た
言葉の意味を理解できない訳が無く、
美波も真剣に言ってることは分かった。

でも、だからと言って
この提案を受け入れる訳には行かない。


「美波。」


出来るだけ、優しく、落ち着いて
彼女の名前を呼べば
俯いていた彼女は視線を俺に向けた。


「俺、美波がすげー好き。
実は入園式で美波を見た時から
ずっと好きだった。」


「え…?」


驚いたように口を開け
じっと俺の顔を見つめる美波に
俺は続けてこう言った。