「それじゃ!また明日!」
「おーう!じゃあな~!」
アオトとユリちゃんに声を掛け、
美波も隣で二人に手を振っていた。
二人が見えなくなるまで見送り
俺もそろそろ帰るか…。
「じゃ…、」「響輝。」
俺も帰るって言おうとしたけど
美波が俺の名前を呼んだ。
「…もう少し一緒にいない?」
いつもの美波からは想像できないほど
弱弱しい声で、顔を真っ赤にして
俯いて、確かにそう言った。
…なんだこの可愛い生き物。
すぐに『いいよ』と返事をしようと思ったけど…
ちょっと問題が多すぎる。
ここは美波の家だし、
ばーちゃんは自治会の集まりがあるとかで
さっき出ていったばかり。
…という事は
この時間に家に二人きりってことだ。