ばーちゃんに羊羹を渡すと
すごく喜んでいて、その姿を見ながら
中へと入った。


家の中ほとんどが畳の空間だからか、
穏やかな空気が流れているような気がして
すごく落ち着いた。


でも、それは畳だけのおかげじゃなくて
長年ここに住んでる美波とばーちゃんが
そういう空気を纏っているから
っていうのもある気がする。


なんか、いい家だなって思った。




それからばーちゃんが
4人分のお茶を用意してくれて
本題のテスト勉強に入った俺ら。


「あーー!わっかんねー!」


開始五分で音を上げたのはもちろんアオト。


今まで真面目に授業なんて
聞いたことのないアオトが
教科書を開いてる光景は奇跡的だけど
突然そんなアオトに集中力が目覚めるわけがなかった。