「あらあら、いらっしゃい。
ゆっくりしていってね。」
「ありがとうございます!
お邪魔しまーす!」
調子のいいアオトが美波に続き家の中へ上がり、
ユリちゃんもそれに続き
みんな俺を待っているようだったけど
その前に、
「初めまして、佐野響輝と言います。
少し前から美波さんとお付き合いさせてもらってます。」
美波のばーちゃんに深く頭を下げた。
両親共にいない美波にとって
唯一の家族だから、
ちゃんと知っていてもらいたかったし
挨拶したかった。
たとえ恋人のフリだったとしても、
俺は本気の恋だから。
それに感謝もしたい。
美波をここまで育ててくれて
ありがとうございますって。
じゃなきゃ美波と俺は
出会う事なんてなかっただろうから。