そう言う美波は
すごく嬉しそうで、
なのにどこか切なそうで
「どうした?」って声にしようとしたけど
何故か聞くことが出来なかった。
なんだか分からないけど…
聞いたらダメな気がしたんだ…。
そんなのは
俺のただの勘違いだと言い聞かせるように
明るく「おう。」とだけ返事をした。
そして美波の家に行く途中、
俺の家の近くにある和菓子屋の羊羹が好きだ
って聞いたからそれを買って美波の家に到着した。
「おばーちゃん、ただいまー!
友達連れてきたー!」
美波は明るく玄関からそう叫ぶと
中から柔らかくて優しい雰囲気を纏った
美波のばーちゃんが顔を出した。
どことなく美波に似ている、
そう思った。
当たり前だけど。