美波の家の中に入るのは初めてだから
なにか買っていった方がいいかと思って
美波に相談すると


「えー!そんなの別にいいよ!」


「俺がよくねーの。
初めて美波を育ててくれたばーちゃんに会うのに
手ぶらってわけにもいかないだろ。
ちゃんと挨拶もしたいしな。」


ポンと美波の頭に手を置くと嬉しそうに笑った後に
少し下を向いて今度は照れたように
俺に視線を合わせた。


「…なんかドキドキするね。
彼氏を家族に紹介するのって。
私、響輝が初めての彼氏だし、
男の子を家に呼んだこともないから
おばーちゃんすごく喜んでくれると思う。
響輝、ありがとう。
私の恋人になってくれて。」