美波Side


…突然触れた暖かい感触。


響輝にキスされたと分かるまで
そう時間はかからなかった。


顔がブワッて熱くなって赤くなって
恥ずかしくて嬉しくて…。


私、響輝と両想いなんだ…って。


嬉しいはずなのに
胸がギュッて締め付けられた。


…私たちは本当の恋人じゃない。


それに…。


現実が私の頭の中を過ぎったけど
今はそんな事を考えたくなくて
頭を振った。



「ねぇ、私ファーストキス、今の。」


手当をしてくれている響輝を見下ろし
そう言葉をかけると
「え?!」と焦ったように顔を上げた。


その顔は全然余裕がなさそうで
なんだか可愛かった。


「だから、"責任"とってよ!」


「責任て…」