桜の木を見上げてそう言うと
美波はパァっと顔を明るくして
ぎゅっと俺の手を握った。
「何それすごいね!!
私たちって運命共同体?やばーーい!!」
なんて喜んでる。
そんな子供っぽい姿も可愛くて、
握られた手は暖かくてすごく落ち着く。
あぁ、やっぱ俺美波がすっげー好きだ…。
「美波。」
「なーに?」
「好きだ。」
気付けば、今まで一回も言う勇気が出なかった言葉が
すんなりと口から出た。
不思議と恥ずかしさはなかった。
むしろ、もっともっと伝えたいって気持ちになる。
「…私も好きだよ、響輝。」
俺の気持ちに答えるように
言葉と、そして背伸びをして
俺の頬にチュッと音を立ててキスをした。