「ほのかちゃん、今夜は飲んで語るよ!」

「はいっ!」


抱きしめる代わりにテーブルに置かれた日本酒の瓶をぐっと握って言うと、彼女もふたつ返事で賛同した。


 *

全員がダイニングテーブルに揃い、乾杯をして始まった食事会は、和洋折衷のプロの料理とお酒を美味しくいただきながら盛り上がった。

とはいえ、わいわいと話していたのは周さん以外だ。彼は当然ながら静かに食事をしていて、たまに話に加わる程度。

しかし不機嫌さは皆無なので、仲間とのこういう会はまんざらでもないのだと思う。

藪さんに対しては辛辣さが増していたけれど、仲がいいからこそ、という感じがよく伝わってきてほっこりした。

そうしてあっという間に三時間ほどが経った頃、私はすっかり出来上がっていた。

ダイニングテーブルを離れ、窓際のひとり用ソファの肘掛にぐったりともたれかかっている。

ここでほのかちゃんと、恋バナや熟女三人組の愚痴などをこっそり語っていたら、つい飲み過ぎてしまった……。


「おい希沙、飲みすぎだ」


周さんの声がすると同時に、ポンと肩に手を置かれた。

浴衣姿の風雅な彼をとろんとした瞳で見上げ、えへへ~と笑う。