飾り気のないTシャツにワークパンツ、首にタオルを巻いた姿はダサい農家スタイルだとは思うが、粋って。絶対嫌味だよね……頬の筋肉が引きつるわ。

他のふたりも、私を頭からつま先まで眺めて嘲る。


「一柳さんの隣に並ぶのが恥ずかしくないのかしら」

「こんな田舎娘が婚約者だなんて信じられない」


口々に罵られ、私は呆気に取られた。昨日の和やかさはやはり上辺だけだったらしい。

ショックを受けるよりもひたすら驚いていると、リーダーっぽい真ん中の女性が、嘲笑を浮かべて「いいえ、お似合いよ」と言う。

〝お似合い〟というのは、当然周さんとのことであるわけもなく……。


「その格好がね。ここで働くより、畑で汗水流したほうがよろしいんじゃないですか?」


明らかに私を受け入れる気がないセリフをぶつけられ、私の口からはなんの言葉も出てこなかった。

私をよそ者扱いする人もいるかもしれないと思ってはいたけれど、まさかここまでとは。

唖然とする私を残し、三人は意地の悪い笑い声を上げて離れていく。今どき「おーっほほほ」と笑っている人、久しぶりに見た……。

なぜこんなに毛嫌いされているのかは謎だが、とりあえず前途多難のようだ。