『誠実…ごめんね。今は付き合えないけど考えてみるから……』



それだけ言うと彼女はその場を離れた。



光里を想う俺…
悠樹を想う光里…
望奈ちゃんを想う悠樹…


それでもいいんだ、
やっぱり好きだから。


付き合う前に、告白ではなかったけどキスを奪ってしまい後悔した。




この日、筋肉痛に見舞われながらも演目をこなし…
閉園した高校の文化祭…


光里は、
肩を震わせたままひとりで帰ってしまった。


話すことなんて出来ないまま。


11月に入って、
寒くなってしまった…夕方の空。



このまま行くと、
クリスマスもひとりなんだな…と呟いている。

早くも白い息が出るほどに冷え込んでいる。