どうしよう。どうする? どうしたらいい?


焦った頭をフル回転して考えて、結局あたしは恐る恐る前に進み始めた。


だって他にどうしようもない。本当はこのまま回れ右して逃亡したいとこだけど、それじゃ授業に遅れちゃう。


たぶん先輩は、あたしに因縁(いんねん)つけてくる気満々なんだろうけど、気がつかないふりして受け流すのが一番だ。


なにか話しかけられても『済みません。授業に遅れるので』って言って、そのまま全速力で走って逃げよう!


あたしは教科書類を両手で胸にギュッと押し当てながら前に進み続けた。