「笠木さんはお休みになられているのでは……?」
笠木さんのほうを盗み見しながら、小声で尋ねた。
すると先生は立ち上がり、ベッドの横に立った。
しばらく笠木さんを見下ろすと、私のほうを向いて笑った。
「寝てないし、今日は体調もよさそうだから、大丈夫。気にしないで」
いくら養護教諭とはいえ、そんな一瞬で判断されては、逆に気を使ってしまう。
「いえ、私のことは大丈夫です。笠木さんを休ませてあげてください」
「そう?じゃあ、話したくなったらいつでも来てね」
先生はそう言いながら、自分の机に戻った。
一枚の紙を取ると、右手にペンを持ち、何かを書き始めた。
それを持って、私の前に立った。
「体調悪くなくても、心の調子が悪いときだってあるもんね」
さっき書いていた紙は、保健室利用証明書だった。
私の名前まで記入してあるる。
利用理由は頭痛と記されている。
それが嘘だということは当然わかり、先生の顔を見る。
人差し指を唇に当てている。
「誰にでもするわけじゃないから、ヒミツね」
この場合の誰でも、というのは普通に仮病で来た人にはやらないということだと思う。
笠木さんのほうを盗み見しながら、小声で尋ねた。
すると先生は立ち上がり、ベッドの横に立った。
しばらく笠木さんを見下ろすと、私のほうを向いて笑った。
「寝てないし、今日は体調もよさそうだから、大丈夫。気にしないで」
いくら養護教諭とはいえ、そんな一瞬で判断されては、逆に気を使ってしまう。
「いえ、私のことは大丈夫です。笠木さんを休ませてあげてください」
「そう?じゃあ、話したくなったらいつでも来てね」
先生はそう言いながら、自分の机に戻った。
一枚の紙を取ると、右手にペンを持ち、何かを書き始めた。
それを持って、私の前に立った。
「体調悪くなくても、心の調子が悪いときだってあるもんね」
さっき書いていた紙は、保健室利用証明書だった。
私の名前まで記入してあるる。
利用理由は頭痛と記されている。
それが嘘だということは当然わかり、先生の顔を見る。
人差し指を唇に当てている。
「誰にでもするわけじゃないから、ヒミツね」
この場合の誰でも、というのは普通に仮病で来た人にはやらないということだと思う。