デスクについてせっせと退職届を作る。


「先輩」


さっきの一言で誰も声をかけて来なかったのに空気を読まずに普通に声をかけてくる奴がいる。


隣のデスクの『三浦瞬』


私のふたつ下で私が教育係だった後輩。


まぁ三浦くんの出来は素晴らしくて私が教えるようなことはほとんどなかった。


いつか三浦くんは私を抜いて私の上司になるんだろうな


とか思っていたがその日を迎えることは出来なかったみたいだ。


「なに?三浦くん」


「辞めちゃうんすか?」


「そりゃそーでしょ
ここで続けるほど私メンタル強くないよ?」


「そーっすか
でも…さっき先輩が言ってたこと、ほんとなんすか?」


「え?なんで嘘つかなきゃいけないのよ」