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あれから咲茉と話すことができなくなった。

もちろん勇也とも。

1学期のころはあんなに楽しかったはずなのに、いまわたしのそばには航ちゃんしかいない。

そうなってしまったのは自分の弱さだってわかってる。


「葵、お昼たべよ?」

「うん」


こうして航ちゃんがそばにいてくれるだけでも十分。


航ちゃんとは付き合うことになったけど、幼なじみだったあの頃となんら変わりない。

あの頃みたいに、朝は集まって一緒にいき、部活おわりが一緒になったら待ち合わせて帰ったり。

変わったのは勇也に恋人ができて、わたしと航ちゃんも付き合ってるということ。

まあその変化が一番大きいのだけれど。


勇也と芹沢さんも相変わらず順調に付き合ってるみたいだ。

そんな2人をみるたびに胸がずきずきしたけれど、わたしにはそんなしかくさえないのかもしれない。