これがもし犯人だとしたら、今日学校にきている人だと思う。

でもそれだけでは検討もつかない。


「俺もまた考えとくから、あんま気にしないで」

「ありがとう」


グラウンドのほうに戻る途中、たまたま葵とすれ違った。

「あ、おつかれさま」

「おつかれ、もうおわり?」

「そう」

「いいな、俺はまだまだこれからだ」

「がんばってね」

「おう」


軽くハイタッチをして俺はグラウンドに向かう。


そんな姿を梨花子がじっとみつめていたのに、俺は気づくわけもなかった。