**
「葵先輩って、榊先輩と久我先輩と幼なじみって本当ですか??」
部活の休憩中、後輩の子に話しかけられた。
「う、うん」
「ええ、あんなイケメン2人に囲まれるなんてうらやましいです!!」
「好きになったりしないんですか!?」
みんなやっぱりこういう話が好きらしい。
というかどうしてずっと一緒にいる=好きってなるんだろう?
それは好きだけど、恋愛とは違う。
もう小さい頃からずっと一緒の家族みたいな感じ。
「うん、ないかな」
「ええ、もったいないです」
「絶対、榊先輩も久我先輩も葵先輩のこと好きですよ」
「どうして?」
「みてればわかります!2人とも部活中しょっちゅう先輩のほうみてますもん」
「え?」
「いやー、やっぱりこっちとしても目の保養?みたいな感じでサッカー部のほうみちゃうんですけどね。そうすると必ずといっていいほどこっちをみてるんです。しかも2人とも一点だけ。先輩だけを」
「またまた、そんなこといって。それに部活に集中しなさい」
「えー、本当なんですけどー」
「ほら、練習再開するよ」
後輩の子たちはしぶしぶといった感じで腰をあげた。