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もう、限界だった。

修学旅行をなによりも楽しみにしていたのに。

葵と、航平と3人で同じ班になれることをなによりも。

でもそれさえも許されない。

葵と航平の楽しそうな声が教室内から聞こえるたび、俺はイライラがとまらなくて、気づいたら教室を飛び出していた。


「おい!まてよ!」

「こないで、くれ」

さっきから足音がして航平がきてくれているのは気づいてた。

足音から航平だってわかるなんて、どれだけ俺たちは一緒にいたんだろうか。

でもそれでも俺は無視して歩く。

どこにいくとかなにも決めていない、授業中なので誰も廊下にはいない道を俺はひたすら進む。


「ちょっとこっちこい!」


でもそんな俺の手を航平はつかんで、使われていない教室に入った。