羽弥斗は今日は仕事の帰りに、幸弥のところに寄った。
「こんばんわ」
羽弥斗が訪ねてくると
バーン! とおもちゃの銃声が聞こえた。
「やーい! 僕の勝ちだね」
おもちゃの銃を持って現れたのは、幸弥の子供の優弥。
幼稚園の年中さんでやんちゃ盛り。
幸弥に目元が似ている、やんちゃで可愛い男の子。
「こら、優弥なにしてんのよ」
後ろから来たのは娘の涼子。
高校生になったばかりの優しいお姉ちゃん。
「だって、羽弥斗おじちゃんが来たから。警察ごっこやったの」
「あ、いらっしゃい」
「こんばんは、お父さんは? 」
「リビングにいるよ」
「そっか、邪魔します」
二階へ向かう羽弥斗の後ろを、優弥はおもしろがって、おもちゃの銃で攻撃している。
リビングに来ると
「ちょっと、くすぐったいから止めてって」
幸弥が妻の心優をからかって遊んでいた。
羽弥斗は思わずキョンとなった。
「おっ、羽弥斗いらっしゃい」
心優はハッとして羽弥斗を見て挨拶をした。
「あ、こんばんは」
爽やかなショートヘヤーの心優。
幸弥と1歳しか違わないが、とても若々しく時々20代に間違えられるくらいである。
「幸弥兄さん、相変わらず仲いいんだね」
そう言われると心優は恥ずかしそうに目を反らした。
「仲いいのは当たり前。愛し合っているんだから」
「はいはい、で。れいの物なんだけど」
「ああ、来ているよ」
幸弥は羽弥斗と一緒に自分の部屋に向かった。