それから。

 幸弥の協力もあり8年前の被害者の事が判明した。

 被害者は笹田陽子(ささだようこ)現在35歳。

 IT会社の社長と3度目の再婚をしている。

 8年前は友田陽子(ともだようこ)で、建築業界の社長と結婚していた。

 2度目の再婚で子連れ再婚で、連れ子は当時5歳で事件当時は保育園に行っていた。

 殺された赤ちゃんは夫の前妻の子供だった。

 陽子は建築事務所で事務員として働いていたが、社長が奥さんを亡くし産まれたばかりの赤ちゃんがいる事を知って近づいて三ヶ月後に再婚まで持って行った。

 奥さんが亡くなったばかりで一周忌も来ていなかったが、入籍だけならいいだろうと籍だけ入れたところだった。

 入籍してから陽子は仕事を辞めて専業主婦になっていたが、連れ子を保育園に預ける為、まだ事務所で働いている事にしていた。

 どちらかと言うと育児放棄のところがあり、赤ちゃんがないていても放置していたり、オムツも変えないままだったり。

 旦那さんの前では育児をしているふりをしていたと、周りは証言している。


 1度目の夫は大手企業の副社長だったが、わずか半年で他界。

 死因は「心不全」だった。

 亡くなった夫は持病があり薬を飲んでいた事から、何かの薬と合わせて飲んで服副作用が起こったのか? とも言われていた。


 1度目の夫が亡くなったとき、子供を妊娠していた陽子は遺産の半分以上を手にした。

 だが子供が産まれて1年もたたないうちに籍を抜いて、子供を引き取り出て行ってしまった。


 2度目の結婚の時、受け取った遺産はほとんどなくお金はそこを尽きていたようだ。


 2度目の夫は見かねて陽子に育児放棄を注意したが、その5日後に食中毒を起こして死亡している。

 原因はお昼に食べたお弁当。

 お弁当は会社で注文するお弁当で、他の社員は何ともなく夫だけが亡くなった事から、不審に思われていたが、陽子は子供を保育園に送って赤ちゃんを病院い連れて行っていたとアリバイが証明されていた。

 結局真実は迷宮入りのままだった。


 夫が亡くなり、また陽子は多額の遺産を受け継いでいた。

 しかしその三ヶ月後に「乳児殺害事件」が起こっている。


「乳児殺害事件」は、陽子が公園に赤ちゃんを連れて散歩していた時、ミルクを飲ませようとして、たまたまベンチに座っていたノエリに赤ちゃんを抱ていてもらって、ミルクを飲ませたら赤ちゃんが血を吐いて死亡した。

 死因はミルクに毒が入っていた事だった。

 陽子は何もしていない、ミルクを飲ませたのはノエリだと言ってノエリが赤ちゃんを殺したと言い張った。


 ノエリは何もしていない、赤ちゃんを抱いていてと頼まれて抱っこしていたいただけで、ミルクは渡されて「飲ませてみて、可愛いから」と言われて飲ませただけだと言ったが、陽子がノエリが勝手に飲ませたと証言した。