真夏の暑い盛りの8月。
金奈市、鉄道博物館。
駅からバスに乗って15分の港町にある。
ここには歴代の新幹線や在来線などが展示してあり、シュミレーションも楽しめる場所。
子供から大人まで楽しめる施設の1つである。
「はい、撮ります」
カメラを構えて親子連れの写真を撮っている、可愛いタイプのイケメン青年。
現在38歳になった羽弥斗。
宗田ホールディングの現社長・北斗の息子である羽弥斗は16年前に早杉家に養子に入った。
その時は警察官だった羽弥斗だが、8年前に退職して33歳で鉄道員になった。
養子先の父・瑠貴亜の影響もあり、元々新幹線好きだった事から鉄道員の道を目指した羽弥斗。
少し前は新幹線の運転手だったが、今は鉄道博物館の職員として毎日楽しく働いている。
夏休みで賑わっている鉄道博物館。
一息ついて、羽弥斗は展示してある新幹線に目をやった。
すると。
新幹線を見つめている髪の長い女性がいるのが目に入った。
真夏なのに黒っぽい薄手の長袖のシャツに黒系のジーンズ。
帽子を深くかぶってあまり顔を見せない女性。
だが・・・
「え? ・・・」