「お前、そんなヤツと友だちなの? スゲーな」
「まあね」

何度か、こんな会話をしたっけ。
しかし実際にはタケチは僕の存在を知らないし、僕も彼をよく知らない。
空想の世界にタケチをいかし、現実の世界では敬遠し、恐れていた。


……とんだ、お笑い話だ。

あんなに恐そうな人間とは、関係を持ちたくないと思う一方で、僕はタケチと微妙に会話したことを誇りに思ってもいた。

すまない、だって。
武士道精神、って感じだ。斬り捨て御免! みたいな。

それにしても、タケチは大丈夫なのだろうか。
タケチが病院に入院してから3日目、僕は授業後あることを思い立った。